プロレスとイカとヒップホップ

三沢光晴が死んだとき、私は経理OLだった。
黒猫マイクロファンド 2023.08.02
誰でも

繁忙期に抜けさせてもらって有明に献花に行ったのを覚えている。好きなのに、プロレスの試合があってもあまり行くことがなかったことを悔いた。

もう後悔しないために、気になってる人や団体の試合を見に行こう。そう思って思い出したのは新崎人生。みちのくプロレスが来たら新木場に行く日々から、岩手と仙台をハシゴする日々までそれほど間はなかった。

そして無職になった。プロレスを見ていたせいではない。ちょうどそのときディック東郷が引退表明して、各地を旅してプロレスの試合をしていた。最終試合見に行きたいから再就職活動はもう少し後でと思っていたが、この頃の私は3ヶ月くらい無職だと落ち着かない人間だったらしい。諦めて恋人が住むベトナムで仕事を見つけた。

ディック東郷はその後ベトナムにゆかりの深い人になるのだがそんなことは当時知る由もなく、そして月日は流れ。

風呂上がりにふと見ると、同居人(非プロレスファン)が珍しくイヤホンを使わずに音楽を聴いている。

「音出しなんて珍rrrr…なんでディック東郷の入場曲聞いてるの?」

「え? リチャード・ドーキンスの本読んでて出てきたから、イカを見てるんだよ?」

「イカ???」

光ってる。

死んだイカにiPodを繋いでこの曲を聴かせたら色素細胞が光るのらしい。まだわけわかってないけれどもドーキンスちゃんと読んでみるか…(ちなみにこの本とのこと)

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